将来世代まで効果が持続する投資の軽視

ある個人が現在の価値と将来の価値を天秤にかけた場合、現在の価値の方を将来の価値よりも高く評価するという傾向がある。このため、新古典派経済学では、将来の価値を、現在の価値と比較する場合には、将来の価値を割り引くこととなる。※I):今の十万円と五年後の十万円のどちらをとるかと問われれば、今の十万円の方が選択されるだろう。つまり、ある個人の選択において、将来の価値は、現在の価値と比較する場合には割り引かれてしまうのである。

このため、植林のように、将来世代まで効果が持続する投資について、十分に評価されない状況となっている。

■参考文献
『環境と経済を再考する』 第一章・第一節 経済的意思決定と環境問題  倉阪 秀史 二〇〇六年


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I. :今の十万円と五年後の十万円のどちらをとるかと問われれば、今の十万円の方が選択されるだろう。つまり、ある個人の選択において、将来の価値は、現在の価値と比較する場合には割り引かれてしまうのである。