[推薦文]『脳と情報』(池谷裕二)


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◎「これまでの脳の解説本は、神経細胞やそこにふくまれる分子や遺伝子の記述がほとんどで、肝心な神経回路に主眼を置いた書籍はほとんどありませんでした。そこを補強すべく、執筆されたのが本書です。

これは、佐々木 拓哉(東京大学)氏の、『脳と情報——神経回路と記憶のメカニズム——』に対する、池谷裕二教授(脳研究者。東京大学薬学部・大学院薬学系研究科)による「推薦文」を公開したブログ記事です。


推薦文

監修者 池谷裕二

本書は、脳の原理を「神経回路」の視点から解説したものです。

脳の中は、たくさんの神経細胞(ニューロン)が集まって、回路を作っています。その回路を通じて、脳の機能が発揮されています。しかし、これまでの脳の解説本は、神経細胞やそこにふくまれる分子や遺伝子の記述がほとんどで、肝心な神経回路に主眼を置いた書籍はほとんどありませんでした。

そこを補強すべく、執筆されたのが本書です。「神経回路学」はとても奥深く、本書の内容だけで脳機能の全貌を理解することはできませんが、脳が作動する原理を、最低限理解するために必要な知識が、丁寧に解説されています。本書を通読した後に、ほかの脳に関する書籍を読み直すと、脳に対する新しい捉え方ができるようになるはずです。

本書「iCardbook」は、電子書籍に特化した執筆形式で作られています。一つひとつの要点が短文で構成され、必要に応じて図や動画、参考文献にアクセスできる仕組みです。iCardbookには、電子端末ならではの利便性だけでなく、紙媒体ではなかなか伝えられない直感的な概念を伝えることができる利点があります。本書の内容が、脳の神経回路に目を向ける契機の一つとなり、また自らの脳機能をより詳しく考察するための一助となれば幸いです。

池谷 裕二:脳研究者。東京大学薬学部・大学院薬学系研究科 教授。

神経科学および薬理学を専門とし、海馬や大脳皮質の可塑性を研究。

文部科学大臣表彰(若手科学者賞)、日本学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞などを受賞。『記憶力を強くする』『進化しすぎた脳』(ともに講談社)、『脳はなにかと言い訳する』『海馬』(ともに新潮社)など、著書多数。

目次構成:

◎全体の目次構成:
はじめに
推薦文(池谷裕二)
第一章 脳の情報処理を知るには神経回路を知る必要がある
第二章 神経回路の基本的な構造と機能
第三章 神経回路を調べるための実験技術
第四章 神経回路における感覚情報の流れ
第五章 神経回路における多様な入出力パターン
第六章 記憶と学習の神経回路
第七章 脳の自発活動と神経回路
第八章 今後の神経回路研究
おわりに

□知識カードの例:(第一章 脳の情報処理を知るには神経回路を知る必要がある)~アイカードブック(iCardbook)は知識カードを編成した電子書籍です。

1 脳機能の一般的説明
2 脳機能の一般的説明 その二
3 脳機能は単一の脳領域だけでは説明できない
4 脳機能は単一の脳領域だけでは説明できない その二
5 脳機能は単一の脳領域だけでは説明できない その三
6 脳機能は単一の脳領域だけでは説明できない その四
7 神経細胞(ニューロン)レベルの研究の必要性
8 脳は神経細胞の集合である
9 脳機能は神経回路から生まれる
10 脳機能は神経回路で説明できる その二

 

『脳と情報——神経回路と記憶のメカニズム——』はアイカードブックの一冊です。

■アイカードブック(iCardbook)については、こちらをどうぞ。

アイカードブック創刊の狙い | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/5063

本のネットワーク化 – iCardbook|知の旅人に http://society-zero.com/icard/network

日本人の情報行動の変化と<本>の未来 | ちえのたね|詩想舎 http://society-zero.com/chienotane/archives/7396/#4

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