情報はボトムアップに大脳皮質へと伝わる

視覚情報が行き着く視覚皮質は、脳の表層を覆っている大脳皮質に分類されます。同様に、いくつかの神経回路を介して、触覚情報は体性感覚皮質、聴覚情報は聴覚皮質、嗅覚情報は嗅皮質に行き着きます。

このように感覚情報は、はじめの入力部位は感覚の種類によって受容される感覚器が異なりますが、その後はすべて大脳皮質へと運ばれる点では共通しています。末端の感覚器から大脳皮質への情報の流れは、ボトムアップ情報処理と呼ばれることがあります(図6)。


■参考文献
『メカ屋のための脳科学入門-脳をリバースエンジニアリングする』  高橋宏知(日刊工業新聞社、二〇一六年)

『脳の計算機構―ボトムアップ・トップダウンのダイナミクス』  銅谷賢治・阪口豊・五味裕章・川人光男編(朝倉書店、二〇〇五年)

『進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)』  池谷裕二(講談社、二〇〇七年)

『単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)』  池谷裕二(講談社、二〇一三年)

図6:ボトムアップとトップダウン情報処理

★この記事はiCardbook、『脳と情報——神経回路と記憶のメカニズム——』を構成している「知識カード」の一枚です。

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