ムダーラバのイスラーム金融への応用(2)預金商品

イスラーム金融におけるムダーラバの応用の2つめは、預金商品である。まず、預金者がイスラーム銀行にお金を預ける。イスラーム銀行はその資金を使って様々な貸し出しビジネスを行い、儲けが出た場合は、あらかじめ決めたおいた割合で預金者と銀行でその儲けを分け合う。銀行がもうけるほど、預金者の取り分も多くなる。万一、損失が出てしまい、銀行が破綻してしまった場合は、預かったお金を預金者に返済する必要はない。

参考文献:
現代イスラーム金融論』第1章:イスラーム金融の展開と金融システム  長岡慎介(名古屋大学出版会、2011年)
「イスラーム金融を作る―法学者たちの静かなる革命」長岡慎介 『現代中東の宗教・メディア・ネットワーク―イスラームのゆくえ』  千葉悠志・安田慎編(春風社、2021年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(下) 金融資本主義からの脱却と「利他利己」の超克』を構成している「知識カード」の一枚です。



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