ヘーゲルは、「職業団体」を市民社会(市場)の無秩序を和らげるためのネットワークとして提示した。
これは今日の労働組合に近いものといえるだろうが、おそらくヘーゲルはこの概念に、労働条件改善のための運動や、共済システムの整備といったこと以上の意味を込めている。
わたしたち一人ひとりが、自らの「仕事」を通して十全に「自由」な自己たりうることを可能にする、その制度的土台という意味である。
■参考文献
『法の哲学』 §二〇七追加 ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル 原著一八二一年
『現代の公共哲学とヘーゲル』 福吉 勝男 二〇一〇年
★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (下)未来構築の実践理論』を構成している「知識カード」の一枚です。
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