ウォルツァーの政治理論的戦略は、人間とは何かという決着のつかない〝哲学的〟問いを回避し、現実を見て実践的にそのつど最良の道を柔軟に選択していくというものだ。
つまりウォルツァーは、多様な現実のあり方を捉えながら、そのつど最も「よい」と思われる方法をプラグマティックに見出していこうと言うのだ。
このようなアプローチを、「プラグマティックなアプローチ」と呼ぶことにしよう。※I):ウォルツァー自身はプラグマティストを自称していない。しかしその思考の方法(アプローチ)については、かなり「プラグマティック」なものであると言っていい。
■参考文献
『政治と情念——より平等なリベラリズムへ』 マイケル・ウォルツァー 原著二〇〇四年
苫野一徳Blog(哲学・教育学名著紹介・解説): ウォルツァー『政治と情念』[編集部]
★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます
註
I. | 戻る | :ウォルツァー自身はプラグマティストを自称していない。しかしその思考の方法(アプローチ)については、かなり「プラグマティック」なものであると言っていい。 |