東洋思想と人工知能

西洋思想はアリストテレスの因果律、論理律を基調としながら、西欧的な知を形成して来ました。そして、人工知能もまたその延長にあり、西欧の知のモデルが結晶されています。ですから、そこには因果律と論理律が色濃く残っているのです。

一方東洋思想は、そういったものから自由であり、むしろ、世界に対しては、因果律の代わりに最初から全体がある、と捉えます。それは時間を超越した静的な見方です。すべてが同時に生成するという捉え方です。

また論理律に対しては、三段論法に捉われない、多様な論理体系が存在します。知能が正しい三段論法を使う必要はないだろう、というのが東洋的な見方であり、そこから東洋的な人工知能の探究が始められます。


■参考文献
人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 第零夜 資料 三宅陽一郎 二〇一七年

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
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