人は、独力では生きていけないという人間観は、アリストテレスにさかのぼる。
アリストテレスは、『政治学』の中で、「家は一人の人間よりも自足的であり、国は家よりも自足的であり、そして多数のものの共同体が自足的であるようになる時に、初めて国は成立するのを望むものである(※I):引用 『政治学』 (岩波文庫、一九六一年))」と述べ、個人はそれ自体では自足するものではなく、他の人の手助けがないと生きていけない存在であると見ていた。※II):さらに、アリストテレスは、「共同することの出来ない者か、或いは自足しているので共同することを少しも必要としない者は決して国の部分ではない、従って野獣であるか、さもなければ神である」と述べ、完全に自足した個人は国の部分ではなく神であると述べている。(『政治学』 (岩波文庫、一九六一年))
■参考文献
『政治学』 アリストテレス 原著紀元前四世紀(岩波文庫、一九六一年)
「持続可能性を確保する社会思想」 倉阪 秀史 『現代思想』二〇〇七年十月号所収
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註
I. | 戻る | :引用 『政治学』 (岩波文庫、一九六一年) |
II. | 戻る | :さらに、アリストテレスは、「共同することの出来ない者か、或いは自足しているので共同することを少しも必要としない者は決して国の部分ではない、従って野獣であるか、さもなければ神である」と述べ、完全に自足した個人は国の部分ではなく神であると述べている。(『政治学』 (岩波文庫、一九六一年)) |