サル化する現代社会 その二

弱いほうが欲求を抑制するサルの社会は、効率性の高い格差社会である。

高栄養の食物を安全に食べたいという個体の利益を重視した集団であり、共感ではなく優劣のルールに基づいて行為を選択する。人間社会がこの傾向を強めれば、共感を働かせる必要のない、個人の利益重視の、効率的で閉鎖的な格差社会になるだろう。


■参考文献
『「サル化」する人間社会』  山極寿一(集英社、二〇一四年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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