無意識の解釈

生物は種ごとに、基本的欲求と感覚器官の形態学的構造の特殊性、このふたつに条件づけられながら環境の中に埋め込まれています。

つまり知覚世界と作用世界との二つの世界を重ねる形で生きているのです。そして世界を自身の身体と生態に即して無意識の中で解釈しています。

「知能」には無意識という、身体に根差した深く広い領域があるのです。それが生物の「環世界」です。また「環世界」は、ソシュールが唱えた、「言語によって分節化されている世界」の起源でもありました。※I):「環世界」は、ソシュールの言語によって分節化されている世界の起源である、として「我々の身体によって分節化されている世界が言語として見えている」、と井筒俊彦氏は言っています。「つまり、生物は、動物的次元において、既に存在を『分節』しているということだ。」(引用:井筒俊彦 「意味の深みへ」 (『井筒俊彦全集』 第八巻所収 岩波書店、一九八五年))。


■参考文献
「意味の深みへ 一九八三年~一九八五年」 (『井筒俊彦全集』 第八巻所収)   井筒 俊彦 一九八五年

改めて知りたい、人工知能とは何か?:新刊『人工知能のための哲学塾』第零夜(前編)」 三宅陽一郎

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
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I. :「環世界」は、ソシュールの言語によって分節化されている世界の起源である、として「我々の身体によって分節化されている世界が言語として見えている」、と井筒俊彦氏は言っています。「つまり、生物は、動物的次元において、既に存在を『分節』しているということだ。」(引用:井筒俊彦 「意味の深みへ」 (『井筒俊彦全集』 第八巻所収 岩波書店、一九八五年))。