今後も維持管理していく資本基盤の存在量に対応して、手入れのための労働需要が決まってくる。※I):たとえば、社会の人的資本基盤の年齢構成とその状態に応じて、保育・教育・医療・介護といった労働需要が定まる。また、維持更新期を迎える人工資本基盤がどの程度あるかに応じて人工資本基盤の維持更新のための労働需要が定まる。さらに、農地・人工林などの自然資本基盤の存在量に応じて手入れのための労働需要が定まる。
これらの労働需要が労働市場による労働供給によって充足されるとは限らない。充足されない場合には、政策的に、労働需要を喚起するか、維持管理する資本基盤量を減らすかしなければならない。実際に、保育士、介護労働者、建設業従事者、農林業従事者など、必要とする手入れ労働需要を満たしていない分野は多数存在する。
■参考文献
『危機にある介護労働 これからの介護・雇用管理入門』 野寺 康幸 二〇〇八年
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註
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