また生物は単なる物質でありません。なぜなら、生物は内部構造を持つからです。
物質は押すと動きます。ニュートンの言う作用・反作用の法則が働いています。生物はそうではありません。情報としてインプットされたものは、さまざまな内部の解釈を経て蓄積され、やがてまったく違う形でアウトプットされます。その運動が生物の内的時間を作ります。
■参考文献
『物質と記憶』 アンリ=ルイ・ベルクソン 原著一八九六年I):唯物論と観念論の対立を解きほぐそうと試みた、ベルクソンの二番目の主著。唯物論と観念論の対立は、視点を変えれば心身問題(心脳問題)となる。つまりこの世界を統べているのは、精神なのか肉体なのか、心なのか物質としての脳なのか、という問題となる。これに対し、ベルクソンは失語症についての研究を手がかりとして、物質と表象の中間的存在として「イマージュ("image")」という概念を用いつつ、心身問題への解を導こうとした。[編集部]
『ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学』 本川 達雄 一九九二年
★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>』を構成している「知識カード」の一枚です。
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註
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