市場化と経済格差(その2)

経済学の理論では、市場を通じた自由な売買の結果、富める者と富めない者が出てくることを否定しない。なぜなら、富める者は、自らの商才と努力によってより多くの儲けを得られるような「違い」のあるモノやサービスを編み出したのであり、その対価を受け取るのは当然だからである。

こうした格差は、関税や参入規制のような自らの商才や努力ではどうしようもできない要因のせいで生じる格差(例:儲けることができる商才を持っている人が参入規制のせいで儲けることができない)と比べればはるかにフェアなものであろう。

参考文献:
不平等論―格差は悪なのか』  ハリー・G・フランクファート 山形浩生訳(筑摩書房、2016年)

 


★この記事はiCardbook、『資本主義の未来と現代イスラーム経済(上) 資本主義の危機とイスラーム経済の登場』を構成している「知識カード」の一枚です。



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