ロックは、『統治論』において、労働を行った者に対して、自然のままの状態から労働によって取り出されたものについての所有権が与えられると考えた。
このとき、人は、「腐敗してしまわないうちに生活のために有効に利用しうる限りにおいて」、また、「誰をも傷つけることがなければ」所有権を認められるという条件が付されていた。
封建制から脱却し近代社会を構築していく過程で、自分が労働して獲得したものは自分の所有だというロックの考えは、革新的であった。
■参考文献
『統治論』 ジョン・ロック 原著一六九〇年
『アメリカ革命とジョン・ロック』 大森 雄太郎 二〇〇五年[編集部]
★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です。
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