ダーウィンが開いた動物社会学の道

「社会」という概念を初めてヒト以外の動物にも適用したのはチャールズ・ダーウィンだった。

彼は『種の起源』で進化論を周到に論述した後、『人間の由来と性淘汰』で遂にヒトと他の動物との幾つもの連続性を説いた。なかでも重要なのは、個体と環境とのかかわりだけではなく、個体どうしの社会も、繁殖競争などを通じて進化の舞台となることを予言したことである。私たちヒトが生きる社会さえも、祖先からの進化の過程で獲得した特徴だと主張したのだ。


■参考文献
『種の起源(上下)』  チャールズ・ダーウィン 渡辺政隆訳(光文社、二〇〇九年)原著一八五九年

『人間の進化と性淘汰(上下)』  チャールズ・ダーウィン 長谷川真理子訳(文一総合出版、一九九九年)原著一八七一年

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(上)「社会」の学としての霊長類学』を構成している「知識カード」の一枚です。

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