類人猿の他者をいたわる行動

チンパンジーは、けんかで傷ついた仲間に近寄って毛づくろいをし、その傷をなめてやることがある。また、ゴリラやボノボはけんかが起こった後に、その当事者だけでなく、けんかに加わらなかった仲間が当事者を慰める行動が見られる。

類人猿には、苦しみや悲しみを抱いている仲間の気持ちを理解し、それを軽減しようとする能力があるのだ。


■参考文献
『利己的なサル、他人を思いやるサル——モラルはなぜ生まれたのか』  フランス・ドゥ・ヴァール 西田利貞・藤井留美訳(草思社、一九九八年)原著一九九六年

『暴力はどこからきたか——人間性の起源を探る』第四章 サルはどうやって葛藤を解消しているか  山極寿一(NHKブックス、二〇〇七年)

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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