人的資本基盤とは、人の存在そのものである。なんらかの有用性をもたらす人の存在と定義しないのは、あまねく人は誰かにとってその存在そのものに価値があるからである。
ただ、人は、生存のための要件が満たされなくなったら、そのメカニズムを終了する。つまり、死ぬこととなる。
「いつもは教育や医療のようなものに好意をもつ人々でさえ、「人的資本」という言葉を嫌い、またその経済的効果を強調するに至ってははなはだしく嫌悪感を抱くことがある」と『人的資本』の著者のゲイリー・ベッカーは自覚している。しかし、やはり、経済的な効果のみから人的資本を評価することは避けるべきであろう。
■参考文献
『人的資本 教育を中心とした理論的・経験的分析』 ゲーリー・S・ベッカー 原著一九七五年
『それをお金で買いますか』 マイケル・サンデル 原著二〇一三年
『人的資本 教育を中心とした理論的・経験的分析』 ゲーリー・S・ベッカー 原著一九七五年
『それをお金で買いますか』 マイケル・サンデル 原著二〇一三年
★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか—— 資本基盤マネジメントの経済理論へ——(下)政策展開の経済理論』を構成している「知識カード」の一枚です。
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