生態学的人工知能

さらに時代が進むと認知科学や生物学から、「生態学的人工知能」、つまり環境における知能の実現という視座が芽生えてきました。環境の中で生物固有の身体と生態から人工知能を実現しようという方向です。

身体を持つ人工知能は単に情報処理の意思決定をするだけではありません。環境の中に自分の身体運動を適応させて行かなければなりません。そういった知能は、高度な意思決定ではなく、より精神の深層の無意識の中の知能で行われているのではないかと考えられ始めたのです。


■参考文献
人工知能のための哲学塾』 第五夜「メルロ=ポンティの知覚論」   三宅 陽一郎 二〇一六年

生態心理学の構想―アフォーダンスのルーツと尖端』  佐々木 正人、三嶋 博之、エレノア・J・ギブソン他 二〇〇五年

人工知能のための哲学塾 第五回 「メルロ=ポンティの知覚論」資料 二〇一六年

生態学的ゲームAI」  三宅 陽一郎

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
人工知能と人工知性

アイカードブック(iCardbook)