電子刺激や薬物適用の課題

神経回路は様々な種類の神経細胞やシナプスを含んでいます。電気刺激や薬物処置の問題点は、こうした細胞種の選択性がほとんどなく、ほぼすべての神経細胞に均一に作用してしまうことです。このような課題を解決するために、遺伝子改変技術を用いて、特定の細胞種のみに光感受性タンパク質(※I):光感受性タンパク質は、特定の色(波長)の光を照射すると、活性化状態が変化します。光操作技術において、最もよく用いられている光感受性タンパク質としては、チャネルロドプシンやハロロドプシンといったものがあります。神経細胞に導入して光照射をすると、前者では神経細胞の活性化、後者では神経活動の抑制ができます。)を導入するという実験手法が採られています(図10)。

 

10:電気刺激、薬物処置、光刺激による神経活動の操作

 


■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)

『記憶をあやつる (角川選書)』  井ノ口馨(KADOKAWA/中経出版、二〇一五年)


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I. :光感受性タンパク質は、特定の色(波長)の光を照射すると、活性化状態が変化します。光操作技術において、最もよく用いられている光感受性タンパク質としては、チャネルロドプシンやハロロドプシンといったものがあります。神経細胞に導入して光照射をすると、前者では神経細胞の活性化、後者では神経活動の抑制ができます。