実験動物を用いて、記憶の想起を客観的に検証するためには、動物の行動を定量化します。
例えば、マウスをある実験箱に入れて、床から電気刺激を与えると、マウスはその実験箱の環境と電気刺激を連合して記憶します。一定時間後に、マウスをもう一度同じ実験箱の中に戻すと、マウスは身体の動きを停止させる、すくみ反応を示すようになります(図17)。
これは、マウスが実験箱の環境を認識し、以前の電気刺激の記憶を想起しているためと考えられます。こうした実験は、恐怖条件付け試験と呼ばれ、すくみ反応の時間を記憶想起の強さの指標とします。
■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)
『記憶をあやつる (角川選書)』 井ノ口馨(KADOKAWA/中経出版、二〇一五年)
『記憶をコントロールする――分子脳科学の挑戦 (岩波科学ライブラリー)』 井ノ口馨(岩波書店、二〇一三年)
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