サバンナに出た人類祖先

氷期の乾燥化で狭まった熱帯林のレフュージアI):氷河期など厳しい気候条件下で、追いやられた生物が生き延びた比較的穏やかな気候の場所。待避地。で、人類祖先は他の類人猿やサルとの食物競合にさらされていた。この競合が人類をサバンナに進出させたと考えられる。最初期の人類とされるサヘラントロプス・チャデンシスの頭蓋骨から、七百万年前には人類がすでに直立二足歩行をしていたことが分かっている。II):人類の進化の絵図として四足歩行から二足歩行へという連続変化図が使われる。しかし実際には、人類はまだ樹上性が強かった時代から、すでに二足歩行をしていた。時系列的には樹上移動から二足地上移動へというのが正しい。[編集部]


■参考文献『5万年前に人類に何が起きたのか』   リチャード・G・クライン、ブレイク・エドガー 鈴木淑美訳(新書館、二〇〇四年)原著二〇〇二年

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(上)「社会」の学としての霊長類学』を構成している「知識カード」の一枚です。

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I. :氷河期など厳しい気候条件下で、追いやられた生物が生き延びた比較的穏やかな気候の場所。待避地。
II. :人類の進化の絵図として四足歩行から二足歩行へという連続変化図が使われる。しかし実際には、人類はまだ樹上性が強かった時代から、すでに二足歩行をしていた。時系列的には樹上移動から二足地上移動へというのが正しい。[編集部]