「遊動性」ゆえの「互酬性」

柄谷は、「交換様式A」における「互酬性」と「遊動性」を同列のものとして描き出している。より正確に言うと、「交換様式A」においては、遊動性が担保されているがゆえに超越権力が登場する必要がなく(権力者による抑圧が嫌であれば移動すればいい)、そしてそのために、互酬性を原理とした交換様式が成立し得たのだ。※I):柄谷は次のように言う。「狩猟採集遊動民の場合、獲得したものを共同寄託する(平等に分配する)システムがあります。これは彼らが遊動的であるから、自然におこなわれるのです。遊動的生活では、蓄積することができない。だから、みんなで消費する。ゆえに、富の格差は生じない。」(『「世界史の構造」を読む』 第部 遊動の自由が平等をもたらす(大澤真幸・苅部直・島田裕巳・高澤秀次・柄谷行人)  (インスクリプト、二〇一一年))。

■参考文献
『「世界史の構造」を読む』 柄谷 行人 二〇一一年

『遊動論 柳田国男と山人』  柄谷 行人 二〇一四年[編集部]

『都市の経済学―発展と衰退のダイナミクス』  ジェイン・ジェイコブズ 一九八四年[編集部]


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I. :柄谷は次のように言う。「狩猟採集遊動民の場合、獲得したものを共同寄託する(平等に分配する)システムがあります。これは彼らが遊動的であるから、自然におこなわれるのです。遊動的生活では、蓄積することができない。だから、みんなで消費する。ゆえに、富の格差は生じない。」(『「世界史の構造」を読む』 第部 遊動の自由が平等をもたらす(大澤真幸・苅部直・島田裕巳・高澤秀次・柄谷行人)  (インスクリプト、二〇一一年))。