「奴」と自由の契機

ところで、「奴」は一度戦いに敗れ自らの「自由」を失った。しかし人間的欲望の本質が「自由」にある限り、「奴」はこの「自由」を取り戻すことを虎視眈々こしたんたんと狙わずにはいない。

「我欲する」と「我なしうる」の落差のゆえに、「自由」の契機は今や「奴にこそ存するのだ。※I):イギリス革命、アメリカ独立革命、フランス革命、ロシア革命。歴史において「自由」な社会を切り開いてきたのは、ほとんどがこうした「自由」を抑圧された人びとだったといっていい。

■参考文献
『人間的自由の条件 ヘーゲルとポストモダン思想』  竹田 青嗣 二〇一〇年


★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。

自由の相互承認
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I. :イギリス革命、アメリカ独立革命、フランス革命、ロシア革命。歴史において「自由」な社会を切り開いてきたのは、ほとんどがこうした「自由」を抑圧された人びとだったといっていい。