例えばブタオザルでは、エストロゲン量の上昇とともに性皮の腫れが大きくなり、排卵時に最大腫脹に達する。しかし排卵が終わってもすぐにお尻がしぼむわけではなく、徐々に小さくなる。したがって、オスは排卵後の妊娠確率が非常に低いメスとも交尾をすることがある。
性皮腫脹によって、オスは「だまされて」いるのだ。
■参考文献
『ニホンザル、性の生理』 和秀雄(どうぶつ社、一九八二年)
『人間の性はどこから来たのか』 榎本知郎(平凡社、一九九四年)
『性の人類学―サルとヒトの接点を求めて』 高畑由紀夫編著(世界思想社、一九九四年)
★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(上)「社会」の学としての霊長類学』を構成している「知識カード」の一枚です。
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