ニホンザルのイモ洗い行動

一九五四年、宮崎県の幸島でイモと名づけられた四歳のメスのニホンザルが、砂浜に撒かれたサツマイモを沢の流れにつけ、砂を落として食べることを始めた。やがて、イモは海水で塩味をつけることを覚え、砂浜に撒かれた小麦を砂ごとつかんで海水につけ、浮かんできた小麦を集めて食べることを始めた。この新しい行動はしだいに仲間のサルたちに伝播し、プレカルチャ的な行動と呼ばれて世界の注目を集めた。


■参考文献
『ニホンザルの生態』  河合雅雄(河出書房、一九六四年)

関連知識カード:(上巻)今西による「文化」概念の拡張

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。

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