このとき、市場で交換価値を持つものが富であり、交換価値を増加させる限りにおいて物質的財と非物質的な財の間で取扱いを変える必要はないという考え方が広まることとなった。
ジェボンズは、『経済学の理論』において、「貨物(commodity)といえば、われわれは何によらず、いやしくも快楽を供し苦痛を防ぎうる物件、物質、行動、または用役と理解する」とした。※I):引用 『経済学の理論』(日本経済評論社、一九八一年)
またワルラスは、『純粋経済学要論』において、「物質的または非物質的なもの(ものが物質的であるか非物質的であるかはここでは問題でない)であって稀少なもの、すなわち一方においてわれわれにとって効用があり、他方において限られた量しか獲得できないもののすべてを社会的富と呼ぶ」とした。※II):引用 『純粋経済学要論』(岩波書店、一九八三年)
■参考文献
『経済学の理論』 ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ 原著一八七一年
『純粋経済学要論』 レオン・ワルラス 原著一八七四年
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註
I. | 戻る | :引用 『経済学の理論』(日本経済評論社、一九八一年) |
II. | 戻る | :引用 『純粋経済学要論』(岩波書店、一九八三年) |