人間の自然への優位と経済学

労働価値説に立脚する古典派経済学が生み出され、さらに、その理論が実物界から離脱していった背景には、デカルト以来の西洋哲学の世界観が存在した。

その世界観では、まず、神の存在を背景として、自然の上に立つ人間という考え方がみられた。人間はその生存の維持と安寧のために下等の被造物である自然を使用する権利を持っていると考えたのである。

■参考文献
『環境と経済を再考する』 第一章・第四節 西洋哲学と物質的側面  倉阪 秀史 二〇〇六年


★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です。

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