手入れに対する応益負担原則

森林がそこにあることによって水源が涵養かんようされ、きれいな飲料水が豊富に得られる場合、この場合の受益は、森林という環境から便益を得ているのである。このような自然資本基盤の恵みを維持するために人間の労力が必要であるとすると、このような自然資本基盤の恵みの受益者は受益に応じてその負担を行うべきであるという規範が生まれる。

同様に、人工資本基盤のサービスを維持するために手入れが必要であるとすると、その受益者が受益に応じてその手入れのための負担を行うべきであるという規範が生まれる。


■参考文献
環境と経済を再考する』 第七章・第一節 汚染者と受益者に動機付けを行う経済ルール   倉阪 秀史 二〇〇六年

★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか—— 資本基盤マネジメントの経済理論へ——(下)政策展開の経済理論』を構成している「知識カード」の一枚です。

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