自然についてメルロ=ポンティはこう言っている。
「自然という対象は人間が立ち現れた場であり、人間が生まれるための条件が少しずつ形成され、やがてある瞬間にこれが一つの実存として結ばれた場であり、人間を支え続け、人間に素材を与え続けてきたものである。」※I):引用 「自然の概念」(『メルロ=ポンティ・コレクション』(ちくま学芸文庫、一九九九年)所収)
人間は、人間から独立して動く「自然」に育まれ、「自然」に依存しつつその活動を営んできたのである。
■参考文献
『言語と自然―コレージュ・ドゥ・フランス講義要録 1952-60』 モーリス・メルロ=ポンティ 原著一九六八年
『メルロ=ポンティ・コレクション』 モーリス・メルロ=ポンティ 一九九九年
『知覚の現象学』 モーリス・メルロ=ポンティ 原著一九四五年
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註
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