生きた個体の脳を直接扱う実験はin vivo実験と呼ばれます。

一方で、古くから神経科学研究に重要な貢献をしてきたもう一つの実験標本として、脳スライス標本や細胞培養標本があります。これらは、動物の脳から標本を単離したもので、培養皿上や実験チャンバー内で扱うもので、in vitroの実験標本と呼ばれます。

in vitro標本の中でも、神経細胞は生き残っています。シナプスなどの細かい構造の特性を調べやすく、また分子生物学的な実験法を適用しやすいという長所があります。脳に直接電極を入れるin vivo実験だけでは知ることができない詳細な神経メカニズムを調べることができます。