言葉の生成過程と無意識

ノーム・チョムスキーの生成文法は、言語の構造分析を通して人間の内部の知能の在り方を研究するために用いられたものです。さらに遡ってフェルディナン・ド・ソシュールの言語学は、言語の生成の平面まで探究が進められました。

無形のものが、無意識のうちに次第に形を持つようになる。つまり、まず言語ならぬもの、ある「想念」があって、それがどんどん言語化されていくプロセスがある。言語にはならぬが指示されるものを「シニフィエ」、言語となったものを「シニフィアン」と呼びました。

シニフィエとシニフィアンの対応が言語の生成の平面です。さらにその言語がネットワーク化されてひとつの知性を作っていく、と考えるのが構造主義です。


■参考文献
ソシュール 一般言語学講義: コンスタンタンのノート』  フェルディナン・ド ソシュール※ 原著一九〇五年

言葉と無意識』  丸山 圭三郎 一九八七年[編集部]

★この記事はiCardbook、『<人工知能>と<人工知性>: —— 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI—— 』を構成している「知識カード」の一枚です。

人工知能と人工知性
人工知能と人工知性

アイカードブック(iCardbook)