トップダウン情報処理の存在

神経回路では単純なボトムアップ情報処理よりも、トップダウン情報処理が大きな比重を占めます。この性質により、同じボトムアップ入力が神経回路に与えられても、その時点でのトップダウン信号(ここでは脳の内部状態と見ることもできます)に依存して、出力が変化することになります。

外部から何らかの情報を受けたとき、脳から生成される出力が、予期せぬ記憶と結びついたり、関連がない感覚認知を同時に呼び起こしたりすることがあるのは、こうしたトップダウン信号との連合の結果だと考えられます。


■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)

『進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)』  池谷裕二(講談社、二〇〇七年)

『単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)』  池谷裕二(講談社、二〇一三年)

『脳の計算機構―ボトムアップ・トップダウンのダイナミクス』  銅谷賢治・阪口豊・五味裕章・川人光男編(朝倉書店、二〇〇五年)

『脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす (ブルーバックス)』  甘利俊一(講談社、二〇一六年)


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