エコロジカル経済学の課題

エコロジカル経済学は、有限な生態系の中で、人間の経済の物的規模が拡大することは持続不可能であり、持続可能な規模を確保するためには、市場外での意思決定が重要であるという考え方を中核としている。

我が国は二〇〇八年以来、人口減少局面に入り、経済活動を支える人的資本が減少し、高齢化するという問題、これまで作ってきたさまざまな人工物を維持更新しなければならないという課題、これまで人の手が加わってきた自然が荒廃していくという課題に直面している。

このような人口減少下の持続可能性の確保という課題と、これまでのエコロジカル経済学の問題意識が合っていない。

人口減少下の持続可能性を確保するという課題に対応するために、エコロジカル経済学の視野をさらに広げて、新しい理論的枠組みを構築する必要がある。


★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか(上)視座と理念の転換』を構成している「知識カード」の一枚です。

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