人工資本基盤価格の決定

人工資本基盤は、その人工資本が創出される段階と、その人工資本基盤が廃棄される段階において環境負荷が発生する。また、建築物や耐久消費財のように、人工資本基盤の機能を維持するためにエネルギーなどの通過資源を要するものについては、その通過資源の創出と使用の段階でも環境負荷が発生する。また、人工資本基盤の機能を維持するためには、人工資本基盤の使用中に手入れを行うことが必要になろう。

このため、人工資本基盤の使用価格は、その人工資本基盤のライフサイクルにわたる支払い総額が、上記の環境負荷を回避し、最小化し、それでも残る環境負荷について代償措置を講ずるために要する費用を賄った上で、当該人工資本基盤の創出、手入れ、廃棄のために要する人的サービスに対する支払いが可能なレベルになるように設定されるべきである。※I):環境負荷の回避・最小化・代償に関するレベル決定については、「知識カード57」。
:手入れを行うか、廃棄するべきかの決定については、「知識カード67および68」。

■参考文献
「持続可能性を確保する経済学はどうあるべきか」 倉阪秀史 『グローバルネット』(地球・人間環境フォーラム)二〇一六年一月


★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか—— 資本基盤マネジメントの経済理論へ——(下)政策展開の経済理論』を構成している「知識カード」の一枚です。

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I. :環境負荷の回避・最小化・代償に関するレベル決定については、「知識カード57」。
:手入れを行うか、廃棄するべきかの決定については、「知識カード67および68」。