ヘーゲル社会原理論の原理性再論

この観点から、ヘーゲル社会原理論の原理性を改めて理解することができる。

わたしたちの認識は「欲望・関心」に相関的である。ではその人間的「欲望」の本質は何か?

わたしたちが〝欲望存在〟であり、諸欲望によって規定されている限り、わたしたちは必ず、これら諸規定性から「自由」になりたいと欲している。すなわち、人間的欲望の本質は「自由」にある。

ヘーゲルの理論は、このような検証可能性に開かれた「現象学=欲望論的アプローチ」によって展開されていると言えるのだ。

■参考文献
『「自由」はいかに可能か―社会構想のための哲学』 第四章 現代政治哲学の難点  苫野 一徳 二〇一四年

★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。