愛されたいという欲望が叶う、認められたいという欲望が叶う、裕福になりたいという欲望が叶う……。これら〝人間的〟な欲望が叶った時の幸せには、必ず「自由」の実感が底にある。これまでわたしを規定してきた欲望の規定性から、「自由」になれたという実感がある。
「自由」の実感なき「幸福」は、原理的にあり得ないのだ。
■参考文献
『「自由」はいかに可能か——社会構想のための哲学』 第一部・第三章 「自由」とは何か 苫野 一徳 二〇一四年
★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。