ノー・ネット・ロスの原則(2)

その際、回避、最小化、代償の順で検討されなければならない。※

「回避」とは、開発行為の全部又は一部を行わないこと、開発行為を着手する時期を遅らせること、開発行為が行われる区域を変更すること等により、悪影響をできるだけ回避することである。

「最小化」とは、開発行為に伴う土地の改変の大きさを縮小させること、その他の環境の保全のための措置を実施することにより、悪影響をできるだけ少なくすることである。

「代償」とは、悪影響を回避し、少なくするようにした場合において、なお残る悪影響については、その悪影響によって損なわれた機能に相当する機能を開発行為が行われる区域以外の区域で創出し、維持することである。※I):一九七十年代、アメリカで湿地区域の急減が起きた。このとき提唱された「ミティゲーションの原則」の一環、あるいはその前提となっているのがノー・ネット・ロスの原則。「ミティゲーションの原則」は人間の活動のため自然に悪影響が出る場合、「回避、最小化、修復、低減および代償」という五段階を、検討すべきとする考え方、アイディア。[編集部]

■参考文献
ミティゲーション: 自然環境の保全・復元技術』  森本 幸裕・亀山 章(編 二〇〇一年
開発行為に伴う生息生育機能の維持及び向上に関する法律(生物多様性オフセット法)-法案作成講座第6期」 倉阪秀史 二〇一〇年 『公共研究』 七巻一号


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I. :一九七十年代、アメリカで湿地区域の急減が起きた。このとき提唱された「ミティゲーションの原則」の一環、あるいはその前提となっているのがノー・ネット・ロスの原則。「ミティゲーションの原則」は人間の活動のため自然に悪影響が出る場合、「回避、最小化、修復、低減および代償」という五段階を、検討すべきとする考え方、アイディア。[編集部]