不要物・廃熱(ごみ)が出る生産の理論では、生産関数が、生産物の物量を決めるステージとサービス量を決めるステージの二段階になる。※I):藤本隆宏は、設計情報を創造する「製品開発システム」と設計情報を製品へと転写する「生産システム」をトータルに捉えるものづくり観にしたがって『生産マネジメント入門』を著している。前者がサービス量決定ステージに、後者が物量決定ステージにそれぞれ対応する。
前者は、通過資源を投入する場合に現れるステージであり、新古典派経済学の生産理論では現れないステージである。このステージは、通過資源の歩留まり率を上げようとする「工場長の知恵」が働くステージとなる。
後者は、より市場で評価されるサービスを創出しようとするステージであり、新古典派経済学の生産理論の中心となっているステージである。このステージは、生産されたサービスの付加価値を高めようとする「デザイナーの知恵」が働くステージである。
■参考文献
『エコロジカルな経済学』 第五章・第二節 ごみがでる生産の理論 倉阪 秀史 二〇〇三年
『生産マネジメント入門〈1〉生産システム編』 藤本 隆宏 二〇〇一年
『生産マネジメント入門〈2〉生産資源・技術管理編』 藤本 隆宏 二〇〇一年
★この記事はiCardbook、『なぜ経済学は経済を救えないのか—— 資本基盤マネジメントの経済理論へ——(下)政策展開の経済理論』を構成している「知識カード」の一枚です。
◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます
註
I. | 戻る | :藤本隆宏は、設計情報を創造する「製品開発システム」と設計情報を製品へと転写する「生産システム」をトータルに捉えるものづくり観にしたがって『生産マネジメント入門』を著している。前者がサービス量決定ステージに、後者が物量決定ステージにそれぞれ対応する。 |