「我欲する」と「我なしうる」との一致可能性

砕いていうなら、「自由」とは、諸規定性を自覚した上で、なおできるだけ納得して、さらにできるなら満足して、「生きたいように生きられている」という実感のことといっていい。

さらに言い換えれば、「我欲する」と「我なしうる」との一致の感度、あるいはその〝可能性〟の感度。それが「自由」の本質なのだ。※I):「自由は欲すると為しうるとが一致する場合に初めて生まれるのである」(『過去と未来の間』 第四章 自由とは何か (みすず書房、一九九四年))。

■参考文献
『過去と未来の間——政治思想への八試論』  ハンナ・アーレント 原著一九六三年


★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。

自由の相互承認
自由の相互承認
 

 

   [ + ]

I. :「自由は欲すると為しうるとが一致する場合に初めて生まれるのである」(『過去と未来の間』 第四章 自由とは何か (みすず書房、一九九四年))。