複数の個人によって相互に共有された認識基盤としての「制度」(2)

現在の公共哲学においても、他者との共通基盤を制度とする考え方が受け継がれている。

ベラー他は、制度的な文脈なしに誰かと会うことは不安なことであり、われわれは他者と最初に何か共通の基盤を見つけることを試み、共通基盤が見つかれば、互いに次々と予想することができると述べる。そして、この「互いに次々と予想していくこと」が「制度」の始まりとする。※I):「社会学および公共哲学における制度」(『善い社会』(みすず書房、二〇〇〇年)所収)

■参考文献
『善い社会―道徳的エコロジーの制度論』  ロバート・N. ベラー 、ウィリアム・M. サリヴァン他 原著一九八九年
「公共哲学とは何か」 山脇直司『公共研究』第一巻第一号、二〇〇四年[編集部]


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I. :「社会学および公共哲学における制度」(『善い社会』(みすず書房、二〇〇〇年)所収)