ネグリ=ハートは、このマルチチュードこそが「絶対的民主主義」であり、これによって世界を再領有化しなければならないのだという。しかしその言い方は、「自由の相互承認」の原理を明らかに見落としてしまっている。
彼らは次のように言う。「一般的あるいは公的なものとみなされてきたものはすべてマルチチュードによって再領有および管理運営されねばならず、したがって〈共〉となるのだ」。I):引用 「マルチチュードの軌跡」『マルチチュード――〈帝国〉時代の戦争と民主主義(下)』所収 (NHKブックス、二〇〇五年)
■参考文献
『マルチチュード――〈帝国〉時代の戦争と民主主義(下)』 アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート 原著二〇〇〇年
「「マルチチュード」とは誰か,そして彼らはどこにいるか─ 21世紀のグランドデザインを考える(2) ─」 関下 稔 『立命館国際研究』 20-2,October 2007[編集部]
★この記事はiCardbook、『自由の相互承認—— 人間社会を「希望」に紡ぐ ——(下)未来構築の実践理論』を構成している「知識カード」の一枚です。
◎iCardbookの商品ラインナップはこちらをクリック
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます
註 [ + ]
I. | 戻る | :引用 「マルチチュードの軌跡」『マルチチュード――〈帝国〉時代の戦争と民主主義(下)』所収 (NHKブックス、二〇〇五年) |