生産的労働と非生産的労働

ケネーやチュルゴーといった重農主義者の議論は、古典派経済学の祖であるアダム・スミスの生産的労働と非生産的労働の区分へとつながっていく。

スミスは『国富論』において、「労働には、対象物の価値を高めるものと、そのような効果がないものとがある。前者は、価値を生み出すので、生産的労働と呼べるだろう。後者は非生産的労働と呼べるだろう」と述べた。※I):引用 『国富論』(日本経済新聞社、二〇〇七年)

スミスは、労働の成果が物質的なものに体現・固定されるかどうかで、生産的か非生産的かを区分した。工業生産物についても、農業生産物と同様に、労働の成果が固定される対象とみなしている点で、重農主義者と異なる。

■参考文献『国富論』  アダム・スミス 原著一七七六年※II):正式名称、『諸国民の富の性質と原因の研究』。アダム・スミスの主著で、経済学の最初の体系的著作とされる。また本書は、経済的自由主義の古典であるだけでなく、ホッブズ、ロックの後をついだ近代自由主義思想の古典でもある。[編集部]


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I. :引用 『国富論』(日本経済新聞社、二〇〇七年)
II. :正式名称、『諸国民の富の性質と原因の研究』。アダム・スミスの主著で、経済学の最初の体系的著作とされる。また本書は、経済的自由主義の古典であるだけでなく、ホッブズ、ロックの後をついだ近代自由主義思想の古典でもある。[編集部]