他者という正義

あるいは、日本を代表する法哲学者井上達夫は、「自由に代わる根本的な価値理念の位置に、『正義(justice)』が据えられるべきだ」と主張する。※I):引用 『哲学塾 自由論』 場外補講・リベラリズムにおける自由と正義の位置 (岩波書店、二〇〇八年)

ここでいわれる「正義」とは、平たくいえば「他者」をわたしの「自由」に先んじるものとして尊重することだ。「自由を正義の規律に服せしめることにより、自由が内包する困難や危険性から自由を救済すること」。これが井上のプランである。

■参考文献
『自由論(双書 哲学塾)』
   井上 達夫  二〇〇八年
『他者への自由―公共性の哲学としてのリベラリズム』  井上 達夫 一九九九年


★この記事はiCardbook、『自由の相互承認 —— 人間社会を「希望」に紡ぐ —— (上)現状変革の哲学原理』を構成している「知識カード」の一枚です。
  

 

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I. :引用 『哲学塾 自由論』 場外補講・リベラリズムにおける自由と正義の位置 (岩波書店、二〇〇八年)