歴史は、近代における、イスラーム世界の近代西欧に対する「敗北」を示している*。
しかし、こうした歴史における勝ち負けが、知のありかたや文明の優越を示すものではない。現在、近代資本主義はさまざまな限界に直面している。そして、近代資本主義が近代西欧の知の体系や文明の枠組みから形成されたことを考えると、今日の資本主義を見直し、あらたな経済体制を模索するためには、知のパラダイム転換をはかる必要がある。
参考文献:
「世界経済史におけるイスラ-ムの位置」加藤博 『社会経済史学の課題と展望』 社会経済史学会編(有斐閣、2002年)
* その理由については第2巻「歴史編」を参照のこと。
□参照知識カード:
近代を相対化するイスラームの知恵とは
結語 市場経済における「イスラームの道」(歴史編)
★この記事はiCardbook、『イスラーム世界の社会秩序 もうひとつの「市場と公正」 Vol.1 イスラーム経済社会の構造(理論編)』を構成している「知識カード」の一枚です。
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