ヴィルンガでの子殺し行動の各事例を詳細に分析すると、いくつかの共通点が浮かび上がってきた。
殺されたのは全て離乳前の赤ん坊であり、「下手人」の多くは成熟したオス、それも群れ外の単独オスや他の群れのオスであった。さらに子殺しが起きた後、殺された子供の母親は別のオスのもとへと移籍することが多く、半数ほどの事例では、「下手人」オスとの交尾が確認された。
■参考文献
『霧のなかのゴリラ―マウンテンゴリラとの13年』 ダイアン・フォッシー 羽田 節子・山下恵子訳(平凡社 二〇〇二年)原著一九八三年
『暴力はどこからきたか——人間性の起源を探る』第五章 暴力の自然誌―子殺しから戦争まで 山極寿一 (NHKブックス、二〇〇七年)
★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。
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