キリスト教の中にあった、「神」概念を背景とした自然に対する人間の優位性の考え方は、古典派経済学の労働価値説に通じる労働観を生み出すこととなる。
ロックは、『統治論』において、「もし、我々が利用するいろいろなものを正しく評価し、それに必要な諸経費を計算し、どれだけが純粋に自然に帰すべきものであり、どれだけが労働に帰すべきかを考えれば、おおよそのものはその百分の九九がまったく労働によるということがわかるであろう」と述べた。※I):引用 『統治論』(柏書房、一九九七年)
また、「土地の価値の大部分を構成するのは労働であり、労働なしに土地はほとんど無価値なのである。」とも述べている。
■参考文献
『統治論』 ジョン・ロック 原著一六九〇年※II):本書はアメリカ合衆国を建国する際の思想的な根拠となったことで有名。第一論文で王権神授説を否定し、第二論文ではホッブズの『リバイアサン』などで述べられている統治の絶対主義理論に対する反駁を展開しながら、市民デモクラシーの基礎原理を展開した。[編集部]
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註 [ + ]
I. | 戻る | :引用 『統治論』(柏書房、一九九七年) |
II. | 戻る | :本書はアメリカ合衆国を建国する際の思想的な根拠となったことで有名。第一論文で王権神授説を否定し、第二論文ではホッブズの『リバイアサン』などで述べられている統治の絶対主義理論に対する反駁を展開しながら、市民デモクラシーの基礎原理を展開した。[編集部] |