ニホンザルで順位に基づいた一方的な優劣交渉が起きるのとは対照的に、ゴリラでは三分の一以上の攻撃交渉が同じ群れの第三者によって中断させられる。
もしニホンザルでこんなに頻繁にケンカの仲裁が起こってしまったら、彼らの直線的順位は崩壊し、攻撃交渉はむしろ長引いて激化してしまうだろう。
では、ゴリラはどのように攻撃交渉を収めているのだろうか。
■参考文献
『ゴリラとヒトの間』第五章 独特なコミュニケーション 山極寿一 (講談社現代新書、一九九三年)
「視線と性――マウンテンゴリラののぞき込み行動とホモセクシュアル交渉」 山極寿一(『性の民族誌』所収 須藤建一・杉島敬志編(人文書院、一九九三年))
★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(下)共感社会と家族の過去、現在、未来』を構成している「知識カード」の一枚です。
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