場合によっては非線形の神経回路演算によって、同時に存在する二つの入力のうち、一方の入力のみが出力に強く反映され、もう一方の作用がほとんど打ち消されてしまうような状況もあり得ます(図13)(※I):例えば、視覚入力があまりにも強く神経回路に作用した場合、本来であれば認知されるような聴覚入力がまったく認知されなくなるような状況が考えられます。)。
この場合は特に、個々の神経細胞の非線形演算に加えて、抑制性シナプス伝達が重要な役割を担っています。
■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)
『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)』 池谷裕二(講談社、二〇〇一年)
『記憶のしくみ 上 (ブルーバックス)』 エリック・R・カンデル、ラリー・R・スクワイア 小西史朗・桐野豊監訳
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