社会進化モデルの課題

伊谷の社会進化モデルも西洋発祥の社会生態学モデルも、霊長類の社会にみられる現象のすべてをうまく説明できるわけではない。数多くの例外が存在するのだ。このような問題を受けて再考を迫られた霊長類学者らは、さらに研究を進めてきた。

この霊長類社会研究の題材として徹底的に研究されてきた種のひとつが、ニホンザルである。


■参考文献
『ニホンザルの自然社会―エコミュージアムとしての屋久島』  高畑由紀夫・山極寿一編著(京都大学学術出版会、二〇〇〇年)

「日本の霊長類——ニホンザル研究の歴史と展望」  山極寿一(『日本の哺乳類学2.中大型哺乳類・霊長類』所収[二九~四九ページ] 高槻成紀・山極寿一編(東京大学出版会、二〇〇八年))

中川尚史、岡本暁子.2003. ヴァン・シャイックの社会生態学モデル : 積み重ねてきたものと積み残されてきたもの. 霊長類研究. 19(3):243-264.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/psj/19/3/19_3_243/_article/-char/ja/

★この記事はiCardbook、『人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality)(上)「社会」の学としての霊長類学』を構成している「知識カード」の一枚です。

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