神経活動の本態は電気的興奮ですから、脳の活動は電極によって記録できます(図7)。
生きたマウス、ラット、サルなどの実験動物の脳から神経活動を記録する一般的な方法は、頭蓋骨の一部を開けて、目的の脳部位に微小な金属電極を挿入することです。これにより、電極先端の周辺で生じる神経細胞の活動を捉えることができます(※I):電極から記録される電気信号は、正式には局所場電位と呼びます。)。
このような記録方法は、電気生理学的計測法と呼ばれ、一九〇〇年代の前半から今に至るまで、神経科学研究における最も大きな貢献をしてきた実験技術です。
図7:ラットの脳に電極を埋めて、神経細胞の活動を記録
■参考文献(本のタイトルをクリックしてアクティブラーニング)
『「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる』 藤田一郎(化学同人、二〇〇七年)
『ニューロンから心をさぐる (岩波科学ライブラリー (64))』 桜井芳雄(岩波書店、一九九八年)
『ニューロンの生物物理 第二版』 宮川博義・井上雅司(丸善出版、二〇一三年)
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註
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